2025年11月20日
- 認知行動療法
オンラインでぶつかり行為再発防止へのカウンセリング
こんにちは。 オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンターです。
ぶつかり行為とは、歩行中に相手を認識しながら、避けずにそのまま接触する方向へ進んでしまう行動を指します。
一見すると小さな接触でも、状況によっては相手とのトラブルや対人関係の悪化につながる可能性があります。
身近な人にこうした行動が見られると、「このままだと心配」と感じることがあり、家族や友人が相談先を探すきっかけになることがあります。
本記事では、ぶつかり行為をテーマに、認知行動療法(CBT)の視点から行動の背景や再発防止に向けた整理の仕方をまとめます。
家族や周囲の方が現状を理解し、関わり方を考える際の参考になれば幸いです。
■ 1. ぶつかり行為とは ― “意図的にぶつかってしまう”という特性
ぶつかり行為は、単に人混みで肩が触れるような自然な接触とは異なり、
「相手に向かって身体をぶつけてしまう・進路を変えずにぶつかり軌道を選んでしまう」
といった意図を含む行動です。
参考になる例として、
通路や街中で相手の動きを見ながら、避ければ良いところをあえて避けず、
ぶつかるルートを選んでしまうケースがあります。
特定の場面で感情が高まり、一瞬の判断で体が前に出てしまう
といった流れが背後にあることも少なくありません。
行動には必ず理由がありますが、
その「理由」は人によって大きく異なります。
- 他人の態度が気になりすぎる
- 反発心が強くなる場面がある
- 緊張やストレスのピークで、強く出てしまう
- 「なぜ自分が譲る必要があるのか」という考えが浮かぶ
- 相手を試すような感覚が生じる
- 自分の存在を認めてもらえないように感じて行動が荒れる
こうした特徴が重なる行動を指します。
街中や通学路、職場、商業施設などで見られることがあり、
周囲から「なぜあえてぶつかる方向へ行くのだろう」と違和感を持たれやすい行動です。
そのため、家族や友人が外出中に気づき、心配して相談を検討する場合があります。
■ 2. 認知行動療法(CBT)で扱う「行動の仕組み」
認知行動療法では、
行動を「単なる癖」ではなく “起きる仕組み” として捉えます。
行動は下記のような連鎖で起きます。
状況 → 考え → 感情 → 身体反応 → 行動
ぶつかり行為も、この流れの中で起きています。
● 2-1. 状況
例:通路で人が多い、相手がゆっくり歩いている、狭い場所、疲れている時間帯…
状況は「事実のみ」で整理します。
● 2-2. その瞬間に浮かんだ考え
わざとぶつかりに行ってしまう方の中には、次のような考えが瞬間的に生じることがあります。
- 「どけばいいのに」
- 「避けるのは自分じゃない」
- 「自分を無視している」
- 「この距離ならぶつかっても大丈夫だ」
- 「譲る意味がない」
こうした考えは必ずしも“正しい・間違っている”で判断するものではなく、
その時の心の状態によって強くなったり弱くなったりするものです。
● 2-3. 感情
感情が行動を後押ししてしまうケースもあります。
- 怒り
- 反発心
- 圧迫感
- 焦り
- 緊張
- 落ち着かなさ
感情が強く出る場面は人によって違うため、
「どの感情が行動を押し出してしまうか」を一緒に整理します。
● 2-4. 身体反応
行動の直前には身体の反応が起きています。
- 呼吸が速くなる
- 歩くスピードが上がる
- 体が前に突っ込みやすくなる
- 視野が狭くなる
この「直前サイン」に気づけるようになることは、再発防止の鍵になります。
● 2-5. 行動
そして最終的に、
意図をもって相手の方向へ行く/避けずにぶつかるルートを選ぶ
という行動につながります。
■ 3. ぶつかり行為が起きる“事情”と、その際の工夫
人によって事情は大きく異なります。
以下に多く見られる事情と、それぞれに応じた工夫をまとめます。
▼ 3-1. 「怒りや反発心が急に高まってしまう」タイプ
他人の行動が気になりやすく、怒りが一気に高まるケースがあります。
● よくある流れ
- 相手の行動を否定的に解釈する
- 怒りや反発心が急上昇
- 身体の緊張も高まる
- ぶつかってしまう
● 対応の工夫
- 怒りが生まれる“前段階”の感情に気づく
- 「その相手にぶつかるメリットはあるか?」を短く確認する習慣
- 歩くスピードを意図的に落とす練習
- 感情の波が急に上がる時間帯の把握
怒りは非常に強い行動推進力になるため、
前段階で気づく練習が重要になります。
▼ 3-2. 「他人の態度に過敏に反応してしまう」タイプ
「無視された」「どいてくれない」「押しのけられた」
といった解釈が強く浮かぶことがあります。
● よくある流れ
- 相手の仕草をネガティブに受け取りやすい
- 「自分が譲る必要はない」という考えが強くなる
- 行動の選択肢が狭くなる
- ぶつかり行為につながる
● 対応の工夫
- 他の“可能性ベース”の解釈を練習する
- その場の状況を事実だけで区切る
- 「避ける・止まる」という選択肢を用意する
考えの幅を広げることが行動の柔軟性につながります。
▼ 3-3. 「ストレスが蓄積すると行動が荒れやすい」タイプ
疲労・ストレスのピークで、考えの幅が狭くなりやすい傾向があります。
● よくある流れ
- 日中の小さなストレスが積み重なる
- 帰宅途中や仕事終わりに爆発的に不快感が高まる
- 避けずにぶつかる行動が出やすい
● 対応の工夫
- その日のストレス度合いを簡単に記録する
- 帰宅ルートの工夫(混雑を避ける等)
- ストレスの出口(相談・整理・休息)を増やす
- 衝動的な行動を起こす前の“身体緩め”を習慣化
▼ 3-4. 「相手を試すような気持ちが生じる」タイプ
自分の存在や立場が軽視されているように感じ、
“試し行動”としてぶつかり行為が出てしまうケースがあります。
● 対応の工夫
- 背景にある感情(孤独感・無力感など)を扱う
- 自分の価値を行動で示そうとしない方法を練習
- 優位性を確認しようとする思考の流れを整理
- 行動以外で承認を感じられる場を増やす
■ 4. 再発防止に向けた「実践的なアプローチ」
ここからは、認知行動療法に基づいた具体的な取り組みです。
● 4-1. 行動が起きる“前兆サイン”をつかむ
ぶつかり行為には必ず前兆があります。
- 呼吸が浅くなる
- 歩くスピードが上がる
- 視野が狭くなる
- 怒りが静かに高まる
これを把握するだけで、行動を変える余地が生まれます。
● 4-2. 行動の選択肢を増やす
「ぶつかる」以外の選択肢を、前もって準備しておきます。
- 一歩下がる
- 立ち止まる
- 歩くスピードを落とす
- 通路の端を歩く
- 別ルートを選ぶ
“具体的に準備しておく”ことが重要です。
● 4-3. その場の考えを整える
瞬間的に浮かんだ考えが強く行動を押します。
例:
- 「譲るのは負けではない」
- 「いまここでぶつかっても何も変わらない」
- 「立ち止まれば流れは変えられる」
行動前の“短い一言”は、実際の行動にも影響します。
● 4-4. 日常全体のストレスを整える
行動が出やすいのは、心身が弱っているときです。
- 休息
- 睡眠
- 食事のリズム
- 安心できる人との会話
- 無理のない生活ペース
こうした土台の調整も、再発防止に役立ちます。
■ 5. オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンターのサポート
当センターでは、
その方の背景・状況・感情の流れを丁寧に整理し、“行動が変わる土台”を一緒に作っていく
ことを大切にしています。
対面・オンラインどちらも対応しています。
外部に内容が漏れることはありません。
- 一緒に行動の流れを整理したい
- 怒りの扱いに悩んでいる
- ぶつかり行為を止めたい
- 安心して相談できる場所がほしい
こうした方は、いつでもお声かけください。
■ Q&A
Q1. ぶつかり行為について、家族と一緒に相談できますか?
はい、可能です。
必要に応じてご家族が同席し、関わり方の整理を進めるケースもあります。
Q2. どれくらいの期間で変化が出ますか?
事情によって異なります。
数回で整理が進む方もおられますし、実践を積み重ねながらゆっくり進める方もいます。
Q3. 外部に相談内容が伝わることはありますか?
ありません。
プライバシーは厳重に扱い、外部に情報が及ぶことはありません。
■ オンラインでカウンセリングを検討される方へ
【WEBサイト】
http://addiction.cbt-mental.co.jp/
【LINE(相談・ご予約)】
https://lin.ee/26sKHRK8
【お申込フォーム】
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