2025年08月25日
- 認知行動療法
公然わいせつ再発防止のためのカウンセリング

こんにちは。オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンターです。
私たちは、公然わいせつをはじめとする性犯罪の再発防止に特化したカウンセリングを行っています。公然わいせつは被害者に深刻な恐怖と屈辱を与える重大な犯罪です。
そして加害者自身にとっても、逮捕・処罰・社会的信用の喪失といった取り返しのつかない結果を招きます。
ここで強調すべきは、どんな理由があっても性犯罪は正当化されないという前提です。その一方で、「なぜ繰り返してしまうのか」「どうすれば止められるのか」を具体的に理解し、実際の生活の中で行動を変えていくことが再発防止には不可欠です。
認知行動療法(CBT)の役割
認知行動療法は、「出来事―受け止め方―感情―身体反応―行動」 のつながりを整理し、再発を防ぐための対応力を高める方法です。衝動や空想といった内的サインがあったとしても、それを言い訳にして行動してしまうことは許されません。カウンセリングでは、責任ある選択をするために以下のような取り組みを行います。
1. 行為のプロセスを振り返る
再発に至る流れを丁寧に振り返り、自分が危険に近づくパターンを見える化します。
- どんな状況で欲求や空想が強まったか
- そのときの気分や身体反応はどうだったか
- 行動に移る直前に頭に浮かんだ考えは何か
これは「衝動が強かったから仕方なかった」と理由探しをするためではなく、同じ流れを断ち切るための準備です。
2. 考え方の整理
公然わいせつを繰り返す人に見られる典型的な思考には、次のようなものがあります。
- 「見せただけだから大したことはない」
- 「相手はすぐに忘れるだろう」
- 「自分では抑えられないから仕方ない」
これらは一見「自分を守る理由」に見えるかもしれませんが、実際には被害者の恐怖を無視し、結果的に自分の人生も壊す誤った考え方です。カウンセリングでは、「再発につながりやすい思考」を整理し、現実的で責任ある受け止め方へ整えていくことを繰り返します。
3. 内的サイン(衝動や空想)への対処
衝動を完全に消すことはできません。しかし、衝動があるからといって性犯罪を行うことは許されません。
そのために、兆候に気づいたら即座に「止める」行動をとる練習をします。
- 深呼吸やグラウンディングで心身を落ち着ける
- 空想が浮かんだら注意を別の対象に切り替える
- 苛立ちを感じたらアンガーマネジメントを使って安全に処理する
目的は「気分を良くすること」ではなく、兆候を察知した時点で行為に移さないことです。
4. 行動の置き換え
「我慢する」だけでは衝動は強まりやすいため、具体的な代替行動を用意しておき、必ずそちらを実行するようにします。
- 外に出そうになったら運動をする
- 衝動を感じたら信頼できる人に連絡を入れる
- 家事や趣味の作業に取り組む
これは「気晴らし」ではなく、被害者を生まないための責任ある行動選択です。
リラプス・プリベンション(再発防止)の役割
リラプス・プリベンションは、CBTで学んだスキルを「実生活の仕組み」に落とし込む段階です。衝動や兆候があっても行為に移さないための仕組み化・習慣化が目的です。
1. リスク状況の特定と回避
自分が危険に近づきやすい場面を具体的に特定します。
- 人目の少ない道や公園など、監視が届きにくい場所に一人でいるとき
- 夜間や早朝など、人通りが極端に少ない時間帯に外出しているとき
- 過去に自分が犯罪行為を行った場所に差しかかったとき
これらを「言い訳」ではなく避けるべき状況として捉え、生活から遠ざけます。
2. 警告サインに気づく
- 胸のざわつき
- ソワソワ感
- 頭の中で繰り返し浮かぶ空想
こうした内的サインを「危険信号」として認識し、その時点で行動を切り替える責任を持ちます。
3. ルールの設定
- もし人目の少ないルートに入ろうとしたら → 大通りへ切り替える
- もし空想が止まらなければ → 水を飲んで3分呼吸をする
- もし衝動が強まったら → 代替行動リストを即実行する
頭で迷う余地を残さず、自動的に責任ある行動に移せる仕組みを作ります。
4. 代替行動の即時実行
CBTで練習した代替行動を「危険な場面」で即座に発動できるよう準備します。
- 緊急行動リストをスマホに保存
- 短時間でできる行動(水を飲む・スクワット・誰かに連絡)をあらかじめ決める
- 「やらない」ではなく「やる」を基準に選ぶ
これは「気晴らし」ではなく、被害を防ぐための責任行動です。
5. 環境調整と習慣化
衝動を強める環境要因を徹底的に避けます。
- 動線を人通りのある道に固定する
- 危険時間帯は予定を詰める
- スマホ利用に制限をかける
- 睡眠・食事・運動を整える
「意思の強さ」に頼るのではなく、環境を先回りで整えることが再発防止につながります。
6. 定期的な振り返り
- 危なかった場面を振り返る
- 役立った行動を確認し、改善点を加える
- ルールを更新する
小さな改善を重ねることが、二度と被害を生まない力になります。
Q&A
Q1. カウンセリングはどんな雰囲気で進むのですか?
A1. 対話を中心に進めます。責められる場ではなく、現実を整理し、再発を防ぐための方法を一緒に考える場です。
Q2. どれくらい通えば改善が期待できますか?
A2. 個人差はありますが、数か月〜1年程度の継続が必要です。再発防止は一時的な努力ではなく、生活全体に根づかせる取り組みです。
Q3. 家族や職場に知られることはありますか?
A3. 守秘義務を厳守します。本人の同意なく外部に情報が漏れることはありません。ただし、新たな犯罪が発生した場合など、法的に報告が必要となるケースは例外です。
ご相談・お申込み
オンライン性犯罪再犯防止カウンセリングセンターでは、匿名でのご相談やオンラインカウンセリングを行っています。
- 公式サイト
http://addiction.cbt-mental.co.jp/ - LINEでのご相談
https://lin.ee/26sKHRK8 - お申込フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSelm3nMBwOyvwnkhrkihe-APBzNTll2NL4fsPB6b6hHMzC8GA/viewform
まとめ
公然わいせつは「軽い行為」ではなく、被害者に深刻な恐怖と屈辱を与える重大な犯罪です。
どんな理由があっても正当化されないことを前提に、加害者は「自分がどう危険に近づきやすいのか」を理解し、責任ある行動を選び取る仕組みを生活に根づかせる必要があります。
私たちは、もう二度と被害者を生まないために、現実的で具体的な取り組みを支援していきます。
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